これから介護の仕事に就くことを検討している方もいることでしょう。既に介護の勉強をスタートし、ある程度の知識や技術を身につけた方もいるかもしれません。いずれにしても実際に介護の仕事を始めれば、数多くの経験を通じて、プロの介護士やヘルパーとして成長していくことになります。その際に大切なことは、いつまでも介護職としての職業倫理を忘れないことです。この職業倫理とは、単に介護の心構えやマナー、あるいは技術など狭い意味に限定されません。介護職としての社会的役割や責任など広い意味まで含みます。
まず具体的に求められる倫理は、「誠実義務」です。身体的あるいは精神的な障害者の目線で、誠実に業務を実行する必要があります。次に求められるのは「信用失墜行為の禁止」です。介護者は利用者が満足できるサービスを提供し、利用者あるいは社会から信用を得る必要があります。介護者による反社会的行為などで、信用を傷つけることを固く禁じています。そして最後に守るべき倫理は、「秘密保持義務」です。介護職は利用者の生活そのものと、密接に関わる職業です。仕事をしているうちに、利用者やその家族などのプライベートな情報を知る機会が増えます。就業期間はもちろん介護職を辞めた後も、業務中に知り得た情報を第三者へ漏らしてはいけません。
人間であればどうしても、仕事を続けていくうちに慣れや怠惰によって、初心で守るべき大切な部分を忘れがちになります。介護の仕事に就いたら、定期的に自分自身と向き合う時間を作って、介護における職業倫理を再確認することをおすすめします。